連休のボランティア

視覚障害者卓球大会にボランティア参加しました。
「ボランティアしませんか?」と声をかけられたのはもう2か月も前のこと。
「私でも出来ることなら手伝います」と答えたまますっかり忘れていた。
日程だけ聞いてい、内容の連絡が来ないうちに4月になり、調整役の職員さんから連絡が来た。

私は一昨年脳卒中で長期入院し、退院後の現在も要介護2で在宅リハビリ中。
障がい者手帳は一年前に取得。

稀な後遺症が多く、訪問リハビリの療法士さんも驚く。
「10年以上この仕事をしているが、こんなに後遺症が多い患者さんはあまり診たことがない。
それだけでも稀なのに、さらに3つ以上の後遺症を同時に併せ持っている患者さんは初めて!」

半身麻痺・痙縮(卒中患者の43%)、神経(感覚)障害・温痛覚・APD(聴覚情報処理障害)・相貌失認・記憶障害・排泄障害などなどいくつ数えればばよいのだろうか…..。
ケアマネさんの勧めもあって、以前のボランティア活動は体調を見ながらすこしづつ続けている。

4月に一度連絡が来て、調整役の職員さんには簡単に現在の症状を説明した。
*体力を使わない
*じっとしていると筋肉が固まってしまうので1時間に10分程度休憩させてほしい。
*長時間は無理なので、半日ならOK。
あれこれと調整してもらった末に、視覚障がい者卓球大会で個人戦の対戦結果を板書する役ということで話が整った。

当日は、体のストレッチをして会場に向かった。
朝、ストレッチやマッサージをしっかりしないと、立ち上がることもできない。

会場は障害者スポーツセンター・体育館
行ってすぐに大会本部に到着のあいさつをする。
すでに受付には参加者の長蛇の列。
視覚障害者の皆さんは、家族や友人・ガイドヘルパー同伴の方、白杖で一人で来られた方、盲導犬同伴の方も。
先に到着した受付役のボイランティアさんたちは、氏名だけでなく、申し込み表や、出場する組などチェック項目がたくさんあるのにテキパキと受付作業をしている。
私はリュックを邪魔にならない荷物置き場に置いて、対戦票を確認する。
卓球の対戦票板書は初めての経験。
結構複雑に思える。同じ名前の選手が複数回出てくる。対戦相手を書き間違えないよう気を付けなくっちゃ….。
誰にでもできそうに思えることでも、後遺症の一つに高次脳機能障害があり、これがまた厄介な症状。
人によっては症状の出方が違うようだ。
私の場合は、昔の記憶は残っているので、経験したことは何とか引っ張り出せる。
でも、経験のないことをやろうとすると頭が割れるように痛む。

対戦票を板書するには、氏名や対戦種別を間違えずに所定の位置に正確に書かなければならない。
身体機能をうまく使えないので杖や手すりがないと歩けない。
片手に試合ごとの対戦票、対戦ごとに一枚ずつ票をめくっていく。
もう一方の手にペンを持つと、杖を持つ三本目の手がない。(当然だけど手すりもない。)
上のほうは背伸びしないと届かない。これはつま先立ちの訓練だと思ってやってみよう。
対戦記録の板書というこの役割は高次脳機能をたくさん使う。身体機能もたくさん使う。
『高度なリハビリメニュー』の体験だと思えばいい!

初めてなので記入ルールを教えてもらいながら、なんとか午前の試合終了までできた。

お勤めしているときに、仕事で使っていた間違えを最小限に抑える「ベリファイ」も応用しながら、記入票の誤差も見つけて、集計担当者に確認に行き、正しい表記を板書できた!!

障害者スポーツは注目されている割に、あまり知られていない。
めったにTV中継などされない。
その貴重な地区大会の試合を、こんなに近くで観戦できるなんて、ほかのだれにでもできない体験ができた。
なんと言ってもこれがボランティアの役得!

主催者には喜ばれお礼まで言われて、お弁当も用意してあった。(食事療法があるのでお気持ちだけ頂いた)
帰りには交通費も手渡された。
めったにできない体験をさせてもらえただけで十分だったけれど、

身体は少しきつかったけど、脳をたくさん使って、昔の仕事のテクを思い出し、応用できた。
こんなに素敵なリハビリは他にない。
だからボラは辞められない??!!

youtubeで豊橋の視覚障がい者卓球(サウンドテーブルテニス)講習会が視聴できます

8:13 – 2019年4月28日
#楽しいリハビリ

視覚障害者卓球大会の様子

視覚障害者卓球大会の様子

視覚障害者卓球大会の様子②

視覚障害者卓球大会の様子②

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